- 年末調整が楽しくて仕方がない(病気)
- ケース1:独身なのに保険入りすぎAさん
- ケース2:最低限の保険で抑える退職間際のBさん
- ケース3:養老保険には気を付けよう! なCさん
- ケース4:保険無加入で大丈夫!? なDさん
- 年末調整では全てはわかりません!w
年末調整が楽しくて仕方がない(病気)
今年もこの季節がやってまいりました。総務課勤務にとって1年の締めくくりに現れるラスボス、年末調整です(^^; この時期は業務が一気に増えて帰宅時間が遅くなるんですよね・・・(´;ω;`)
しかし、ちゃんと資産運用に取り組み始めてからというもの、私この年末調整がまったく苦痛ではなくなりました。それどころか他人の加入している生命保険等を合法的に知ることができるのが実に楽しいのです!(個人情報漏らしたりはしてませんからね。念のため💦)
それが楽しいなんていうのはもはや一種の病気かもしれませんが、事実なんですから仕方がない(^^; 脳内で勝手に「う~ん、この人はちょっと保険掛け過ぎだよなぁ~。もっとこうしてこうしてこうすれば良いのになぁ」とか考えつつ、1人でFPごっこやってるだけですから、何にもおかしくないのです!
・・・うん、自分で書いておいてなんですが、立派な病気だなこれは。
ま、まあでもせっかく年末調整の季節なので、今回は年末調整担当者から見た従業員の保険について記事を書いてみたいと思います。勝手に従業員の保険加入状況をディスったり褒めたりする、私の脳内FPごっこを文章に起こした戯言だとお考え下さいw
※本記事に書いている内容はフェイクです。実在の人物の保険加入状況や家族構成ではありません。
ケース1:独身なのに保険入りすぎAさん
25歳女性のAさん、未婚実家住まい。
【加入している保険】
〇生命保険:
①「個人年金保険」年額120,000円。契約者:本人 受取人:親 保険期間:45年
②「終身保険」年額65,248円。契約者:本人 受取人:親
〇介護保険:
③「終身保険」年額42,336円。契約者:本人 受取人:親
【状況】
すべて同じ保険会社の商品に加入。3種類の保険に加入しているが、「生命保険料控除証明書」は2枚しかなく、②と③は1枚の証明書内に金額が併記されている。すべて「新」制度。
【控除額】
一般の生命保険:上限の40,000円を上回っている。
介護医療保険:計算すると、控除対象になるのは30,584円。上限に届かない。
【考察】
終身保険(②と③)で年間107,584円、つまり月額8,965円かかっています。1つの目安である「月額1万円未満」に収まっているため、それほど掛けすぎ感はありません。
しかし、彼女が未婚の実家住まいであることを考えると、現段階で終身保険に加入する意味は薄いでしょう。本人に万一のことがあったとしても、金銭面で迷惑のかかる相手がいないからです。
また、個人年金(①)を月に1万円かけていますが、iDeCoをかけずに個人年金をかけるのは優先順位を誤っています。個人年金とiDeCoとでは節税効果が違いすぎるため、かけるならiDeCoが先。それが鉄則です(ただしiDeCoは60歳まで解約できないデメリットがあります。今後、出産・育休or結婚退職というライフプランがあるのであれば、この辺りは慎重に考える必要があります)。
ということで、私ならば②と③は解約して積立NISAを、①も解約してiDeCoを始めます。基本的に未婚の実家住まいであれば保険なんてかける必要はありません。
ところで、「個人年金保険」にもかかわらず「個人年金保険料」ではなく「一般の生命保険料」からの控除となっているのは別に間違いではなく、年末調整あるあるです。
個人年金保険に加入していますが、「一般」の生命保険料控除証明書が届きました。「個人年金保険料控除」は | 大樹生命保険株式会社(外部リンク)
「個人年金保険料控除」を受けるには「個人年金保険料税制適格特約」を付加していただくことが必要です。「個人年金保険料税制適格特約」が付加されていない場合は「一般」の生命保険料控除証明書となります。
・・・とまあ、こういうことですね。この方の場合は(1)(2)を満たしていないため「一般の生命保険料控除」扱いになったのでした。保険受取人を親ではなく自分にしておけば、数千円ですが控除分で得できましたね(^^; ただ家庭の事情とかあるので、相手から聞かれない限りわざわざこちらからそんなアドバイスはしませんが。
ケース2:最低限の保険で抑える退職間際のBさん
58歳女性、既婚共働き、子供はすでに独立のBさん。夫は公務員。
【加入している保険】
〇生命保険:「終身保険」年額48,000円。契約者:本人 受取人:夫
【状況】
加入している保険は終身保険の1つだけ。金額から見て掛け捨てだと思われる。
【控除額】
一般の生命保険:上限に届いていない。36,500円。
【考察】
最低限の支出に抑えていてGOODです。さらに家のローンがどれほど残っているか(持ち分はどうなっているか)、貯蓄がどれくらいあるかにも寄りますが、子供が独立済み、夫が安定&退職金の約束された公務員ということなので、掛け捨ての生命保険すら不要じゃないでしょうか。定年まで年数がなく一定額の年金が保証されていることを考えても、下手に今から資産運用を始める必要もないでしょう。
→私なら生命保険すら解約し、その分を毎日の生活を彩るために使います。
ケース3:養老保険には気を付けよう! なCさん
40歳男性、既婚共働き(妻はパート)、保育園児の子ども1人、住宅ローン3年目
【加入している保険】
〇生命保険:「養老保険」年額160,000円。払い込み期間20年。契約者:本人 受取人:本人
【状況】
加入している保険は養老保険のみ。加入日が2002年なので、すでに払い込み開始から17年が経過している。
【控除額】
一般の生命保険:限界突破の50,000円。
【考察】
出たよ出たよ、諸悪の根源養老保険!!
契約中に亡くなれば死亡保険金を、無事に契約を迎えられれば満期保険金を受け取れる保険です。どちらに転ぼうが、必ず保険金が支払われる仕組みということで、耳障りの良い営業トークに騙されて加入してしまう人が多数いるんですよね・・・(^^;
まあ実際バブルの頃は予定利率が5%超えの素晴らしい保険だったわけで、当時を知る人には「養老保険=良いもの」という刷り込みがあっても不思議ではないのですが、今となってはその認識は改めるべきです。養老保険はその性質上、掛金が高い場合が多く、大量の資金を長期間にわたって拘束されてしまうというデメリットがあるのです。「貯蓄型生命保険」という生命保険界の最悪のクソと比較すればよっぽどマシですが、それでもほとんどの家庭で加入価値はないと思っておいた方が良いでしょう。
ただ、この方の場合は幸い払い込みが開始してからすでに17年が経過していますので、あと3年間持っておけば満期が来ます。3年後にはお子さんがまだ小学生ですから将来の学費にするも良し、住宅ローンの繰り上げ返済に使うも良し、資産運用に回すも良し。この資金の使い方をどうするかが鍵になりそうです。
また養老保険以外の保険にまったく加入していないことを見ると、もしかするとこの方は確信犯的に保険を一本化しているのかもしれません。養老保険のメリットは万能選手なことですので、月額13,000円超えというやや高額な掛け金に目をつぶれば、シンプルで掛けすぎというわけではないかと。
注意点として、養老保険満期後は保障がないため、満期後は新たに掛け捨て型の生命保険に加入する必要があります。本人に万が一のことがあった場合、パートの妻と小学生の子ども1人では生活できなくなってしまいますので、妻が正社員になるor子どもが独立するまでの間は嫌でも保険のお世話にならなくてはなりません。
→17年間にわたって資産運用に回せるはずの資金が月額13,000円も拘束されていたのは痛い。独身時は無保険、結婚後に掛け捨て型生命保険にのみ加入して、浮いたお金は運用に回した方が期待利回りは高かったですね。
でも勝負は養老保険の満期後です。今後、どれだけ不要な保険に入らずに済ませられるか。
ケース4:保険無加入で大丈夫!? なDさん
45歳男性、既婚片働き(妻は専業主婦)、小学生の子ども1人、住宅ローン10年目
【加入している保険】
〇なし
【考察】
これは・・・。
基本的に保険不要論者の私ですが、さすがにこれは思い切りましたね(^^; 一馬力で子どももいて、さらに住宅ローンを抱えている状態で生命保険(あるいは就労不能保険)に加入していないというのは、なかなかのチャレンジャーです。本人に万が一のことがあった場合、奥様と子どもがやっていけるのか他人事ながら心配になります。
いちおう、住宅ローンについては団信保険に加入しているでしょうから、本人が亡くなった場合は残額は全額免除されます。万一の時には奥様がすぐ働きに出るのか、それとも十分な蓄えがすでにあるのか、はたまた実はすでに経済的自由を達成していて仕事は道楽でやっているのか、あるいは自分に限って万が一の事なんて起きないという自信があるのか・・・。
→私がDさんの立場なら、さすがに掛け捨て型生命保険に加入します。せめて子どもが就職して親元を離れているならDさんのように加入なしでも良いとは思うのですが。
年末調整では全てはわかりません!w
はい、というわけで書きたい放題書いてきましたが、実際のところ年末調整で提出される情報なんてたかが知れています。保険料控除ができる条件は誰が保険料を支払っているかだけであって、契約者や受取人には依存しません。なので、無保険に見えても親御さんが本人分の生命保険をかけているかもしれませんし、保険料控除の対象にならない商品だってありますからね(^^;
わかるとすれば「この人保険かけすぎてるな~」くらいのことですが、例えば親族にガン罹患者が多い場合は通常よりもガンになる確率が上がるなんて話もありますし、結局保険なんて本人や家族が何を重視するかで正解なんて変わってきます。
ということで、私が言いたいことは1つしかなくて、なんとなく保険に加入するのは辞めましょう。必要・不要は真剣に考えて判断しましょうね。
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