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(寄稿)公立学校教師だけど、労働組合(職員団体)を脱退するカンタンな方法を教える。

労働組合のイラスト(真剣) | かわいいフリー素材集 いらすとや

弟が●教組を脱退! しかし労組には脱退届がないのが常識!

 地味に人気のある公務員コーナー、久々の更新です!

 ※間違えられたら嫌なので毎回書いていますが、私自身は公務員ではありません。公務員関連の記事は、某所で教育公務員をやっている弟夫婦から情報提供を受けて書いています。

 特に今回の記事に至っては、メイン部分は100%弟からの寄稿です(タイトルも)。我々民間人には知ることのできない●教組の内情がわかる記事として、私自身興味深く読みました。

 

 さて、今回の記事内容についてですが、上で述べたとおり我が弟が結構長いこと続けていた●教組をついに脱退したとの一報を受けたので、せっかくならと彼が脱退を決意するに至った経緯と、脱退のための手続き、脱退したことによる影響などについて書ける範囲でまとめてもらったものです。

 「●」に入る漢字は、一応伏せておきます(^^; 私には一種類しか思いつかないのですが、実際の学校現場には複数の労組があるらしく、実は思いのほか沢山の漢字が入るようですよ。

 

 話は飛びますが、私自身も民間企業(オープンショップ制)で労組に加入し、途中から執行部にも入って10年間にわたってバリバリと組合活動をしてきたものの、上層部の「仕事を全くしないクソ社員だろうがそいつが組合員なら守るくせに、仕事をきっちりしていても組合員じゃない社員の足なら喜んで引っ張る」態度とか、「仕事そっちのけで政治活動に注力する」姿とかが気に食わないこと、その他もろもろの理由で数年前に労組を脱退していますので、弟の今回の決断には「よくやった!」と拍手喝采です。労組の本務って労働者の権利を守ることなはずなんですけどねえ・・・民間も公も要らん活動に注力しすぎて本務を忘れてるのは同じなんですね。

 

 そして同じ部分はそこだけじゃなく、労組って基本的に「加入届はあるけど脱退届は存在しない」んですよ。だから、抜けたくなっても抜け方がわからず泣き寝入りする社員もいるとかいないとか。

 ●教組ももちろん同じで、弟もそこで「( ,,`・ω・´)ンンン?」となったそうです。こういの、フェアじゃないですよね~、ホントに。

 では弟はどうやって●教組を辞めることができたのか!?

 

 以下、寄稿です。(※太字や赤字などは私が後付けしています。)

 

●教組に加入することになった経緯

 私が●教組(以下、「組合」)に加入した、、、というかさせられたのは、某県の教員に採用されたまさに最初の4月1日でした。勤務校の特色やその年度の行事予定表、給料や手当の申請書類などなど大量の書類群の中に紛れ込んでいたのが組合加入届で、今思えば軽率だったのですが、当時の自分は何もわからずに記入してしまいました。

 

 後で同期との飲み会の中で聞いた話では、ほとんどの同期が同じような形で組合に加入したとのこと。中には「組合があるから今の勤務条件が守られて~」などという軽い説明を受けた人もいましたが、大半は自分と同様に、何の説明もなく気づいたら加入していたタイプです。また、同期の中に1人だけ頑なに組合加入を断った人がいました。彼女は民間企業からの転職者だったこともあり、我々新卒組や講師から直接教師組に比べてその辺りの視野が広かったんだと思います。加入しない理由は、「経済的に無理」で押し通したようです。

 

 そういうわけで晴れて?組合員となった自分でしたが、別に入りたくて組合員になったわけじゃないので、積極的に活動しようとは思いませんでした。少なくとも自分の同期の組合員は同じような感じで、バリバリ活動している一部の年配組合員との間に温度差は常に感じていました

 

 あ、ちなみに誰もが「組合」と呼んでいるのですが、法律上は「労働組合」ではなくて「職員団体」が正解らしいです。自分は脱退してからその事実を知りました。

 

●教組の組織

 あまり知られていないと思うので、組合の組織についても簡単に触れておきます。

 学校の組合は階層構造になっています。一番有名な「日教組」を例に挙げれば、「日教組」が本体で、その下部組織が各都道府県にあります。東京なら「都教組」、埼玉なら「埼玉教組」など。さらに各都道府県には市町村の名前がついた下部組織があって、市町村内で学校ごとに「●●小(中)学校分会」と呼ばれる最小単位の組織があるんです。

 

 それとややこしいことに、実は「日教組」以外にも組合は存在し、似たような階層構造を取っています。そして各々の下部組織が各都道府県にもあって、だけど名付け方も限られているので、「埼玉教組」ならぬ「埼教組」があったりするんですよ。それが同じ日に同じ場所で集会をしたりするもので、若手の組合員は間違った組合の集会に入ってしまうこともあるとか(笑)

 

●教組の活動内容

 自分も含めて大半の組合員は、最小単位である「分会」か、その上の市町村単位での活動にしか触れる機会はありません。この辺のレベルでの活動はほとんどが職場の労働改善に直接関わるものだったり、職員同士の親睦を深める行事の企画だったりで、シンプルに楽しかったです。あ、管理職や市への申し入れだけは、時に怒号が飛び交うこともあるので緊張しました。それでも自分たちの行動が労働環境や子どもたちの学習環境改善に繋がると信じていたので苦痛ではありませんでした。この辺の活動までは

 

 一方で、都道府県や全国レベルでの活動は、一気に政治色が強くなります

 先輩に連れられて東京都で開催された研究会に出席した時なんて、基調演説で安倍政治を終わらせるだとか憲法9条を守るだとかの話ばかりが出てきて、正直言って辟易しました。「ぜひ、非組(ひくみ = 組合に入っていない職員)も誘って参加してね」と言われていたのですが、こんな演説を聞かされて組合に入る決意を固める職員がいったい何人いるのでしょうか、、、。ドン引きしますよね。

 

 ちなみに、こういう政治色は分会での活動時にはあまり見えないのですが、たまに下りてくる署名にはその片鱗が見えてたりします。自分は政治色が強い署名は書かずにスルーしていたのですが、そのことについて特に何かを言われたことはありませんでした。

 

●教組を辞めた理由

 そんな感じで、分会の範囲で活動している限りでは、自分はそれほど組合活動が嫌だったわけではありません。ただ、

1.月々4,000円以上の組合費が高く、コスパに見合わない。

2.やっぱり上層部の政治活動に賛同できない。

 の2点がどうしても気になり、組合を脱退することに決めました。

 

 まず1についてですが、組合費は毎月の給料から天引きされます。この金額が結構高いんです。新採用職員が4,000円くらいで、後は給料が上がるに連れて上がっていき、最終的には月々6,000円程度になるようで、生涯だと200万円を超える計算になります。こう考えるとものすごく大きいですよね。

 この組合費が生産的な活動に使われればまだ良いのですけど、実際は労働環境や子どもの学習保障に直接関係ないような政治活動やその他に使われている部分もあって釈然としないんです。

 また、これは組合を脱退した後に知ったことですが、地方公務員の加入できる組合は、実際には「労働組合」ではなく「職員団体」なので、労働協約を締結する権利がないんです。労働協約を締結できなければどうなるかというと、使用者に対して法的な義務を負わせることができません。つまり、、、

 

 組合「給料上げろ!」

 相手「わかった、上げる!」

~~~~~~~~~~~~~~~

(給料日)

 組合「いや、上がってないじゃないか! どういうことだ!?」

 相手「上げると言ったな? あれは嘘だ」

 ※あくまでイメージです。

 

 ↑こういうことがまかり通るんです。わかりやすく給料アップの例で書きましたが、労働環境のことや学習環境のことについてもこんな適当なことをされてはたまったもんじゃないですよね。いったいなんのための交渉なのでしょう。こんな茶番劇に200万円支払う判断は果たして正しいのでしょうか。

 

 そして2つ目に、政治のことがあります。

 自分は全く野党を支持していません。あまり政治の話を同僚とすることもないのですが、少なくとも自分と同世代の職員もまた、特定の野党を応援していないものと思われます。

 なのに署名や動員では、かなり攻撃的な文言で与党を攻撃するような文言が飛び交い、そこまで強い気持ちを持っていないこちらとしてはモヤモヤを抱えたままでこんな活動を続けていこうという気か起きないというものです。

 たぶんですが、世間一般で思われているほど組合員の政治思想は左寄りではないんですよ。上層部にいるごく一部の組合員だけが極端な原理主義者で、残りの大半は政治活動に目をつぶってそれ以外の活動にだけ意義を見出そうとしています。

 だから「組合の方針」と「(大半の)組合員の考え方」には大きなギャップがあります。これに自分は耐えられませんでした。

 

 まとめると、決して安くないお金を払って通らない要求や思想の異なる政治活動をやる必要を感じない、と思ったわけです。

 

 

自分が●教組を辞めた方法

 決断してしまえば行動は早いもので、自分はすぐさま脱退方法を調べにかかりました。この時点で組合加入から5年以上が経過していました。

 しかしここで問題が発生。なんと調べど調べど、脱退方法がわからないのです。それとなく分会代表者に聞いてみても「加入届はあるんだけどなあ」どまりで、一向にそれらしい様式が見つかりません。言われてみれば、自分自信が分会代表者を務めた時も脱退方法に関する記載を読んだ覚えがない気がします。

 後で知ったのですが、公務員だけでなく民間の組合にも脱退届というものはない場合が多く、辞めたければ適当な様式を自分で作るしかないようなのです。

 

 しかし自分はもうとっくに脱退を決めています。どうしよう。直接執行部と話をすると恫喝されたり怖いことが起きそうな気がするし、、、。

 そんな折、市内の他校に元組合員だけど諸事情で去年組合を抜けた人(以下Aさん)がいて、しかも彼と自分とは偶然にも校務分掌が同じらしいという噂を耳にします。

 これはチャンスとばかりに市内研修の後、自分からAさんにアプローチをかけました。確認したところ噂は本当でした。

 

 Aさんは自分の考えと組合の方針とが合わなかったため執行部に直接脱退を伝えに行ったがその場では認められず、数回の話し合いを経ても辞める辞めるなの押し問答が続いてらちが明かなかったため、最終手段に打って出たとのこと。

 さ、最終手段?? なんだかとてつもなく嫌な予感がする。まさか暴力とか、はたまた訴訟とかじゃないよな、、、。でもやっぱり直接執行部に行っても話にならないんじゃどうしようもないじゃないか、、、。

 そんな風にぐるぐると頭の中で考え込んでしまった自分の不安をよそに、Aさんは事も無げに告げました。

 

「ん? 事務職員に言って、給与の天引きを辞めてもらったんだよ

 

 

 Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン

 な、なるほど、、、。そんな手が!

 その辞め方だと筋は通してないので執行部と険悪になることは避けられませんが、筋を通して辞めると言っても聞いてくれないような相手に義理立てする必要があるのか甚だ疑問です。Aさんが辞めた時の執行部と現在の執行部とは顔ぶれが同じなので、自分が同じ目にあうことは想像に難くありません。

 それを、組合費を支払わず自動的に脱退する(追放に近いかも)という方法はまさに盲点でした。ということで、自分も早速その手段を取ることに。

 

 翌日、職場の事務職員さんに用紙をもらい、組合費の天引き欄に「0」を記入。組合を辞める旨を告げました。そこで2つの衝撃的なできごとが。

「これねえ、たまにあることだから気にしないでいいよ~」と優しい言葉をかけてくれた彼女自身が、同じ手段で昔組合を辞めていたことを知ったのが1つめ、そして脱退した旨を伝えた時の分会代表者が「いいなあ、俺も辞めたい」と答えたのが2つめです。

 

 なんだ、やっぱりみんな組合には複雑な感情を抱いてるんだなあ、というのがその時感じたことです。

 

 

●教組を辞めた後、変化はあったか?

 組合を辞めた後変化があったかについてですが、正直言ってメリットしかありません。実質月々4,000円の可処分所得アップに加え、自分の思想に合わない活動を強制されずに済むのですから。

 

 組合に所属していないと管理職からの理不尽に対抗できないなどと言われることもありますが、そこは毅然とした態度で頑張ればどうにでもなります。

 それでもあえてデメリットというか負い目?のようなものを挙げるとすれば、自分がフリーライダーになってしまった点でしょうか。組合の得た成果は当然非組合員も享受することができますから、いわば非組合員は「タダ乗り」している状態。それが後ろめたくないかといえば、そう簡単に割り切れるわけでもないというのが本音です。

 

 逆に言えば、本当に他には何のデメリットもないんですよ。自分が組合を辞めたかどうかなんて、他者は全然気にしていないんです。実際に非組合員の人だって職場には何人もいて、組合員かどうかなんて関係なく仕事してますし。

 

 ということであくまでも自分の場合はこうです、という報告に過ぎませんが、もしも誰かの参考になれば幸いです。

 

_______________________________

 以上、寄稿でした。

 しっかし、民間も公務員も同じですね~。政治活動なんかにうつつを抜かして労組の本務をサボるから若手職員に見向きもされなくなって加入率下がるのがなぜ理解できないのか・・・。まともな労働組合は存在しないんですかね(^^;

 

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