はじめに
インカムゲインを得るための投資方法として、私は絶対的に米国株式高配当銘柄への積立投資を推しています。他にインカムゲイン投資と言えばFXで低レバレッジをかけてオーストラリアドルやトルコリラ等の高金利通貨をロングするという方法も思いつきますが、私は大きく3つの理由でその投資法は採用すべきではないと考えています。
スワップポイント狙いのメリット
まずはFXスワップポイント狙いのメリットについて確認しておきます。
①為替の動きに一喜一憂しないで済む
②超低レバレッジなのでロスカットの危険性は極めて低い
③不労所得が得られる
このように、言わばFXの魅力である大勝ちを捨て去ってしまうスワップポイント狙いには実は多くのメリットがあることがわかります。市場の変動とFX特有のロスカットの不安におびえることなくインカムゲインだけを淡々と得ていく方法はメンタル的な安定もあり、「投資が生活に侵食する」リスクはほとんどないと言って良いでしょう。なるほどこれは一見、理にかなっているように見えます。
事実2019年2月21日現在、DMMFXで米ドルをロングすれば、単位取引通貨あたり1日につき64円のスワップポイントを得ることができます。これは確かに十分に魅力的ですし、狙う価値はあります。
スワップポイント狙いのリスク
しかしながら私はその投資手法を選びません。端的に言えばスワップポイント狙いのFX低レバレッジトレードはリスクとリターンとが釣り合っていないためです。
そもそもFXはゼロサムゲームである
FXは、業者に払う手数料を無視して考えれば勝ち側のプラス総額と負け側のマイナス総額がイコールになります。これで相手が素人ならばまだ良いです。しかしヘッジファンド等のプロが参加する市場です。もともとの勝率が5割のゲームで相手の方が格上なのですから、実際の勝ち目はもっと薄いと考えざるを得ません。
この点、株式市場はプラスサムゲームです。株価というのは歴史的に見て、合間に暴落があったとしても結局は右肩上がりで推移するからです。勝つ可能性の方が負ける可能性よりも高いゲーム、それが株式市場(特に米国株)です。
インカムゲインを狙うという目的が同じなのであれば、勝ち目の高い株式市場を選択した方が遥かに効率が良いのです。
高金利通貨は長期で見ると下落する
そもそもなぜ高金利通貨は高金利なのかということですが、金利を高くしなければ誰もお金を預けてくれないからに他なりません。
例えば日本の銀行は現在ほとんどゼロ金利です。1000万円預けても1年間で1000円の利子がつく程度。利子なんてあってないようなものですよね? にもかかわらず、日本人の大多数がいまだに預金を選んでいる事実があるのはどうしてでしょう?
1つは、日本では金融教育が盛んではないからです。外貨預金しようという発想自体が出づらいことで、消去法で国内預金が選択されているということです↓
しかし本項目で言いたいのはもう1つの理由の方。つまり、「日本(の銀行)は信頼されているから低金利でも需要がある」のです。
例えば、「トルコの銀行に1年間お金を預ければ金利が5%も付くよ! 日本の銀行よりもお得だよ! 1,000万円預けたら50万円も増えるよ!」と言われたとして、実際トルコにお金を預けるかどうかです。私ならまず預けません。理由は、その銀行(どころかその国の経済自体)がつぶれるリスクを無視できないためです。
日本の銀行であれば、最悪銀行が破綻したとしても元本は1,000万円まで保証されているので何のリスクもなくお金を預けることができるのですが、保証もあるかどうかわからないトルコの銀行に同額を預けることなんて怖くてできやしませんよ。
いや俺はできる!という人もいるでしょうが、事実としてトルコの銀行は高金利になっています。これは裏を返せば「それだけ高い金利を設けなければお金が集まらないほど信頼度が低い」ことを意味しています。要は、金利が高い国というのは経済的・政治的にリスクが高い国だということです。リスクが高くて需要がないから、高い金利を餌にしなければ誰も見向きもしてくれないのです。
当然、長期的に見るとそういう通貨の価値は相対的に下落していく傾向にあります。そこをあえてロングで入るのですから、数年・数十年にわたってポジションが塩漬けになるどころか、最悪二度と戻らないリスクは覚悟しておく必要があるでしょう。
この点、米国株式の場合、配当金を受け取りながら株価自体も右肩上がりになる傾向があります。私もインカムゲイン至上主義ではありますが、常に含み損を抱えたままよりはキャピタルゲインも同時に得られる方が気分的に楽です。
スワップポイントは変動する
スワップポイントは日本国内の金利と該当国の金利との差で決定しますが、当然ながらこの数字は変動します。例えば今はアメリカの政策金利が上昇していることでドル円のスワップポイントはかなり高くなっていますが、10年前はスズメの涙にすぎませんでした。将来に向かってこの差が広がるのか縮まるのかはわかりませんが、スワップポイントは各国の政治の影響を色濃く受けてしまうため、不安定でインカムゲインの計算がしにくいことだけは確かです。私は自分の収入が経済ではなく政治によって動かされることが気に食わないため、この事実を大きく受け止めます。
この点、株式にかかる配当金はよほどのことがない限り減りません。もちろん減配リスクがないわけではありませんが、何よりも配当金を重視する米国では減配どころか数十年間増配を続けている企業が多数存在します。リーマンショックなどの危機下でら増配しているのですから、今後も簡単に減配するとは考えづらいでしょう。
このように、インカムゲインを得る手段としてFXを利用するのはリスクのわりにリターンが小さく、あえて選ぶメリットが少ないというのが私の考えです。同じインカムゲイン投資ならば米国株式の方がより低リスクで安定したリターンが見込めると言えるのです。
↓米国株投資なら他社と比べて圧倒的に選択肢が豊富なマネックス証券で口座を開設するのがおススメです。
FXをやるなら2手法のどちらか
それでもあえてFXを選ぶのであれば、以下の2手法のいずれかを選択すべきです。つまり、リスクとリターンとが釣り合っていないというのなら、リターンがもっと減っても良いからリスクも極限まで下げるか、リスクが上がっても良いからリターンを極限まで上げることでバランスを取れば良いのです。
①超低レバドル円orユーロ円ロング
高金利通貨ではなくドルやユーロを狙って低レバレッジでロングするのは理にかなっています。不安定な高金利通貨と違いドルやユーロは安定しています。またアメリカ・ヨーロッパの人口は将来に向けても増加する見込みですので、高齢化と人口減で将来の見えない日本円と比較すれば相対的に価値が高まる可能性が高いと言えるでしょう。ただし高金利通貨ではないのでそれほどの利益は望めないですし(現在は例外的にドル円のスワップポイントが大きいですがこれは長く続かないでしょう)、上述したようにスワップポイントは変動します。特に先進国同士である日本とユーロ圏/アメリカとの金利差は最悪の場合逆転するおそれさえあるので、スワップポイントでインカムゲインを得るはずだったのに逆に毎日資産を失っていくかもしれないのです。
為替はどうしても株式と比較して政治の影響を大きく受けてしまいます。仮想通貨なるものが現れた背景に「経済はもっと自由なものだ!」というユートピア思想があり私自身がそちらに傾倒していったように、やはり政治の影響を受けすぎる法定通貨を私は好きになれません。
②超ハイレバ&超少額
FXの最大の魅力はやはりこれです。ロスカットで借金まみれになる事案が頻発し国内の取引所は軒並み高レバレッジ禁止になっていますが、今でも一部の海外取引所ではレバレッジ200倍とかかけられる会社があります。
FXについて語る場ではないのでここに詳しくは書きませんが、例えば10万円等の超少額だけを投入してテクニカル的に「ここ!」というタイミングでレバレッジ200倍の超ハイレバ&ド短期で大幅な利益を抜くトレード手法があります。きっちりストップをかけておくので失敗してもマイナスにはならず10万円を失うだけで済むという、自爆上等な戦術です。
もちろん超ハイレバなので、わずかでも逆方向に動いた瞬間にストップは刈られて一瞬で10万円を失いますが、これを10回繰り返せば1回くらいは勝てるでしょう。負けた時は1回あたりマイナス10万円で済み買ったときは大勝ちになるので、トータルで見ると大きくプラスになるというわけです。
FXの負けパターンが「コツコツドカン」であるように、勝ちパターンは1勝9敗でも金額で大きく勝ち越すことです。FXにおいては勝率なんて何の意味も持たないことを熟知している人ならではの手法ですね。
この②については、実は私も非常に興味があります。独身の頃だったらチャレンジしたかもしれません。が、今は妻も子供もいる身ですのでそんな危険な真似はできません。あくまでも淡々と米国株式に積立投資することを考えるのみです。
まとめ
現在ドル円のスワップポイントは非常に美味しいですがそれでも税引前5%程度のインカムゲインしか望めず、その程度のリターンであれば米国株に優良銘柄がゴロゴロしているのが現実です。そしてそれ以上のスワップの得られる高金利通貨を選べばさらに大きなリスクを抱えることになります。リスクとリターンのつり合いがとれない点で、FXを選ぶ価値はないというのが私見です。
ただ上述のとおり一発当てるつもりならアリだと思うので、きっちり勉強してから参入してみるのも良いでしょう。
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