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30代からの投資でアーリーリタイアを目指す記録。日本に拘りはなし。

【投資=マルチ商法】という衝撃

 

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マルチ商法よくない!

 個人投資家のみなさんはピンと来ないかもしれませんが、私は初心者が株式投資に一歩踏み出すハードルを高いと感じる理由の1つに、マルチ商法の存在があるのではないかと疑っています。

 陰謀論並みにテキトーなことを言っている自覚はありますが、このブログはストレス発散も兼ねて書きたいことを書く場なので自分の好き放題させてもらいます。

 

 まずは基本的な知識の確認から。

 

 

ねずみ講とマルチ商法の違い

 ねずみ講とマルチ商法の違いは商品が介在しているか否かの差にすぎませんが、ねずみ講は違法、マルチ商法は合法という大きな差があります。


悪のマルチ商法【電子書籍】[ こずかた治 ]

 特商法できっちりと規定されているものの、この2つを混同している人がいまだにいるようです。ただし価値のない商品を介在させることによって実質はねずみ講なのにマルチ商法と言い張るような抜け道も存在するため、油断なりません。そして合法なマルチ商法であっても巨大なリスクを伴うものであるため、関わること自体をおススメしません。

 このあたり、マルチ商法の危険さを書いたサイトや体験談をまとめたサイトがいくつもあるので自分の身を守るためにも一度は目を通しておいた方が良いでしょう。

 

 ↓「関西アムウェイ体験記」

kansaiamway.web.fc2.com

 マルチ商法の体験談系で私の一番好きなサイトです。更新が滞ってしまっているのが残念ですが、アムウェイ勧誘の悪質さや、商品紹介方法の嘘などが膨大なデータと共にまとまっています。

 リンクから飛べるサイトも面白い体験談が多いので、一度読み始めると時間を忘れて見入ってしまいます。

 

  ここからの記事は、読者の方々がマルチ商法に関しての知識をある程度持っていることを想定して書きます。押し付ける気はないのですが、本当に危険なので知識を持っておくにこしたことはありません。

 

 

 

マルチ商法御用達の3ワード

 日本で普通に生きていると、1度か2度くらいはマルチ商法の勧誘に遭うことがあります。たいていは20代半ば、つまり大学卒業直後くらいで勧誘されることが多いようです。社会に進出したばかりの世間知らずはカモにしやすいということなのでしょう。学生を勧誘してはいけない決まりもあるため、狙うなら卒業後ということです。ただ青田買いで学生のうちからミーティングに連れて行かれる人もいるくらいなので油断はできません。

 

 私も学生時代の友人から勧誘を受けたこともあれば、新宿を歩いていて見知らぬ人からアンケートに答えてほしいと声をかけられたことが2回ほどあります。若いころに勧誘されたことのない人はラッキーですよ。さすがに30代になれば相手もわかってくるのか、誘われることもなくなってきますから。

  そして、その勧誘時に決まって飛び出す単語が「ラットレース」「金持ち父さん 貧乏父さん」「権利収入」です。

 

引用:wikipedia

 ラットレース(英語:rat race)とは、働いても、働いても、一向に資産が貯まらない状態のことである。 働いても、働いても、一向に資産が貯まらない様子が、回し車の中で、クルクル回っているネズミに似ていることから定義されていると、ロバート・キヨサキが自著「金持ち父さん 貧乏父さん」の中で語っている。

 

 このように、マルチ商法の勧誘者たちはロバート・キヨサキの超有名書籍である『金持ち父さん 貧乏父さん』をバイブルとして掲げ、「ラットレースからの脱出」を目指すためには自らが勧めるマルチ商法に入り「権利収入」を得るべきだ、という論理をまことしやかに唱えるわけです。

 

 ここで気を付けるべきなのは、ロバート・キヨサキは投資家であり、決してマルチ商法を勧めている人物ではないということです。彼はあくまでも不動産や株式投資により不労所得を得ることがラットレース脱出の方法になると述べているだけで、一つもマルチ商法になんて言及していません。マルチ商法の勧誘者たちが勝手に彼の著書や考え方を使って、自身の勧誘に利用しているだけなのです。

 つまり単なる権威付け。困ったもんです。なぜ困るかって?

 

 

投資=マルチ商法

 何が困るってそりゃあ、投資家もマルチ商法と同様、「ラットレース」「金持ち父さん 貧乏父さん」のワードは普通に使用するからです。他にも、「車や持ち家は資産ではなく負債」という考え方がtwitterやブログでよく書かれていますが、これもまた『金持ち父さん 貧乏父さん』内にある記述なんですよね。

 

 繰り返しになりますが、ロバート・キヨサキのこの著書に書かれている内容は資本主義に関する考え方として非常に有用で、投資を始める際の基本的な知識になります。そしてこの著書が優秀だからこそマルチ勧誘者たちがパクって使う。

 すると何が起きるか?

 

 マルチ商法の被害に遭った人達は、「ラットレース」という言葉や『金持ち父さん 貧乏父さん』という著書自体をマルチ商法関係だと思ってしまうんですよ。

 だから個人投資家である我々がうかつに「労働からの脱出」とかの話を周りにしようものなら、「あいつもしかしてマルチ商法やってるんじゃね?」なんて根も葉もない噂を流されることになり得る・・・違いますからね! でもそうは思わない人がいることも事実。

 

 そういうわけで、非常に不本意なことに一般人にとっては投資=マルチ商法などというわけのわからない論理式が成立してしまう可能性があるのです。

「絶対もうマルチ商法なんかに引っかからないぞ! え?投資? あ、怪しい! だってラットレースとか言ってるんだもん! マルチ商法と同じじゃん!」

 投資とマルチ商法では目標が同じであっても手段が全然違うのに、ほとほと困ったものです。

 

 最近のマルチ商法界隈の情報はよく知りませんが、ピケティのr>gの公式なんかは格好の道具にされてそうです。。。メチャクチャ良い本なのに。


まんがでわかるピケティの「21世紀の資本」 / 小山鹿梨子 【本】

 

 ところで、先ほど挙げた3つの単語のうち、「権利収入」という言葉だけは投資家は使いませんよね。だって所得税法上そんな収入は存在しませんから。

 私が初めてアムウェイの勧誘を受けた時、「アムウェイから入るお金って給与収入ではないですよね? いったい何ていう収入に当たるんですか?」と質問したところ、相手が間髪入れずに「権利収入だよ」と答えてきたため、あーこの人知識不足だなと判断して丁重にお断りしたことがありました。

 

 マルチ商法の勧誘をしてくる人は、法律や税についての知識が欠如している場合が多いです。自分の信じるマルチ商法の会社や商品、勧誘方法については物凄く勉強するのに、外側から情報を得ようとすることを極度に嫌う印象が強いですね。内部でそう教えられているのか、バッシングが強すぎて外の世界を覗くことに耐えられないのかもしれません。

 

 

 

マルチ商法の勧誘をかわすのは困難

 マルチ商法の勧誘から逃れるのは困難です。そもそも勧誘の場は1VS2という数的不利な状況がほとんどですし、そのうち1名はあなたの友人、もう1名は初対面で友人が尊敬している(という設定の)人物で海千山千の勧誘慣れしている相手なんですから、予備知識なしで思いつくような疑問・反論など赤子の手をひねるように軽く返されます。その上、友人がその人のことをなまじ尊敬しているなんて言うものだから、こちらも思った批判を素直に発信することさえ心情的にはばかられるのです。

 

 正面から論破するのであれば「特商法」や「薬事法」など法的な観点、「収入と所得」や「給与所得と雑所得」などの税の観点以外から両断するのは不可能と思った方が良いです。マルチ商法はグレーゾーンなので、厳格な根拠のない攻撃をしても煙に巻かれるからです。また、相手は貴方を洗脳の場であるミーティングに連れていくことを目的としているだけで、その場で説き伏せようなんて考えていないのですから、「君は賢いから見どころがあるよ!」とかなんとか褒めちぎって「もっと詳しい話を聞きに行こうよ!」と持っていければあちらとしては大成功なんですよ。

 

 そのためマルチ商法を断るためには「話を一切聞かずにただ断る」または「自分は公務員だと言い張る(国家公務員法により副業が禁止されていることを盾に完封できます。この点、地方公務員だと「任命権者の許可があればOK」と読めるような、やや弱い記述になっているため付け込まれる恐れがあります。よって国家公務員と名乗った方が安全です)」のが最善手なのですが、そこはマルチ商法も投資も「不労所得を得る」という目的は同じなんですから、投資家の端くれとしては「投資先として魅力的かどうか」という観点で攻めたいと思いませんか?

 

 

マルチ商法は投資先として魅力0

  あえて投資先という観点から攻めるのであれば、「リスクとリターンが釣り合っていない」点がポイントになるでしょう。

 

 当然ながら、投資というのはリスクとリターンのバランスが大切です。株式だけを買うのではなく債券も混じえたポートフォリオを組むことでリスクを取りすぎないようにするのが基本的な戦略となります。

 この点、私はiDeCoや積立NISAで海外株式100%というリスクの高い運用をしていますが、それは家計全体としてリスク資産よりも安全資産を多く抱えていること、各種民間保険に加入していること、夫婦共働きであること、夫婦ともに日本どこでも将来的にも需要がなくならないであろう仕事であることなど、複数の要因を総合的に加味した答えとして、それだけのリスクを取っても何ら問題ないと判断したためです。仮に1馬力だったり、民間の保険に入らず掛け金を投資に回しているのであれば、もっとリスクの低いバランスで運用しています。

 また5年後までの集中投資を決めている仮想通貨にしても、万が一投資した全額が0になったとしても、それなりに裕福な老後を送ることが可能な金額までに抑えています。(まあでもその場合はアーリーリタイアなんて夢のまた夢ですが(;^_^A)

 

 投資というのは自分が耐えられるラインをきっちりと見極めて、それ以上のリスクを取らないようにするのが当然なのです。

 

 翻って、マルチ商法はどうでしょう?

 マルチ商法のリスクはまさに「プライスレス」人間関係をお金に換える原理なのですから。百歩譲ってその本人は友人知人を失っても良いのだという考えの持ち主だったとしても、勧誘される方はたまったものではありません。

 

 また、上で「勧誘される人は20代半ばに多い」と書きました。仮に25歳の人が55歳でのアーリーリタイアを目指すとして、

 ①30年間マルチ商法を続ける

 ②30年間インデックス投資を続ける

のどちらの方が高いリターンを得られるでしょうか?

 

①の場合、

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アムウェイ(Amway)会員データ集|日本アムウェイ(Amway)公式企業サイト)より引用

 このように、上位1%の会員で月額20万円を達成できるようです。この月額というのは「達成月」の月額なので、毎月20万円が入って来るわけではありません。

 30年間で上位1%に入れる保証なんてありませんし、マルチ商法の場合は毎日のように勧誘をしたり商品紹介をしたり上の人と打ち合わせをしたりミーティングに参加したり、権利収入などと銘打っておきながらほとんど労働収入なんですよね。

 

 

 対して②はというと、

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新生銀行 | 積立シミュレーション)より引用

 

 このように、毎月10万円の積立投資を利回り3%で回した場合、55歳時で5800万円も貯まります。最低限アーリーリタイアに必要な金額が5000万円程度と言われていますから、贅沢さえしなければアーリーリタイアは不可能ではないでしょう。

 さらに②の場合、上位1%などと言わず誰でも再現できますし、しかもほったらかし投資ができます。自分の時間も労力も使う上、実現可能性も低い①とは比べるべくもないことがわかるでしょう。

 

 以上のことより、マルチ商法は投資先としての魅力が0だと断言できます。どう考えても1日でも早くSBI証券で積立NISA口座を開き、インデックス投資を始めた方がラットレースからの脱出に近づくのです。

 マルチ商法勧誘者たちがその事実に気づくのはいったいいつになるのか、そして一般の方々が投資=マルチ商法が事実ではないと気づくのはいったいいつになるののか・・・。

 

 

 

キャッシュフローゲーム ~子どもの金融教育に最適~

 余談ですが、ロバート・キヨサキの「キャッシュフローゲーム」というボードゲームはメチャクチャ面白いですよw

 人生ゲームのようなものですが、まずは全員が「ラットレース(貧乏父さんの世界)」という出口のない輪っかの中からスタートします。そして必要な条件を満たすことにより「ラットレース」を抜け出し「ファーストトラック(金持ち父さんの世界)」を目指すことが目標となるのです。

 スムーズにラットレースを抜け出して資本家の世界へ到達する者、いつまで経っても労働者の世界から抜け出せない者。格差が徐々に二極化し、さながら今の日本社会のように分化していく様子を見ていると複雑な気分を覚えます。

 制限時間を設けることで、果たして定年退職までにラットレースを抜け出すことができるかを競う人生のロールプレイのように楽しむことも可能!

 

 私はこのゲームを使って娘に金融教育をする予定にしています。ゲーム形式なので小学生くらいなら楽しんでできるでしょうし、モノポリーより面白いと思うのですよ。

 また別に単独記事でも書こうかな、と考えています。

 あ、このゲームで大会を開催してマルチ商法勧誘につなげる輩もいるらしいのでお気を付けくださいね!(色々考えるなあ、彼らも(^^;)


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