いくらあればリタイアできるかなんて、自分で考えるしかない。
実は私には、30代にして既にアーリーリタイアを実現している知人がいます。彼は若くして起業した後何のためらいもなくその事業を売却することで大量のキャッシュを得、そのキャッシュで数々の金融資産を買い漁って配当金で悠々自適の生活を送っています。
しかしそういう生活を送っていると「いくら貯蓄があればリタイアできますか?」という質問を受けることが多く、そのたびに辟易すると苦笑しています。
いやあ、そういう質問をしてしまう人の気持ちはわからないでもないんですよ。私もアーリーリタイア目指している身ですから、最低いくらあればリタイアできるかを最初に明確にして、その金額を目標に金融資産を貯めていきたいです。目標がある方がわかりやすいし継続するためのモチベーションも高まりますからね。
しかしこういう質問を他人に向けてしまうのはまったくもってナンセンス。
いや、自分だけの話ならそりゃ可能ですよ? 将来のライフプランをシミュレーションすれば自ずと必要額は見えてきますから。
↓例えばこの記事とか。
↓この記事とか。
↓この記事とか(おススメ)のように、自分で計算すれば良いのですから。
ですが、生活水準とか家族構成とか年齢が異なれば、当然必要金額だって変わってきます。「独身貴族で実家住まい」と「子ども2人で住宅ローンを抱えている」のとでは条件が違いすぎますよね。
なので、「あの人が『○○円あればアーリーリタイアできる』って言ってた」なんていう情報には何の意味もなくて、必ず自分の状況に落とし込んで考える必要があるのです。
貯蓄額が多くてもアーリーリタイアは危険
それにいくら貯蓄額が多かろうが、貯蓄のみの無収入でリタイアするのは精神的に耐えがたいと思います。
たとえ1億円の貯蓄があったとしても、毎年500万円を消費するのであれば20年間で0になってしまいます。生活水準を落として毎年250万円の消費で留めれば40年間保ちますが、30代で退職したとすると40年後はまだ70代。アーリーリタイアの弊害として年金受給額も大きく減っているのでその先の将来は絶望的ですね(^^;
このように1億円では精神的にどころか単純に金銭的にも足りないようです。
これが2億円、3億円あれば(あるいはリタイア時期を遅らせれば)話は変わりますが、それでもいつまで続くかわからない人生の中でどんどん減り続ける貯金残高を眺めながら余生を送るのは、キツイものがあるでしょう💦
やはり貯蓄がいくらあったとしても、定期的な収入がないというのはメンタル的に寒いなあ、と思わざるを得ません。せっかく念願のリタイア生活を手に入れても毎日貯金の心配をして過ごすのだったら何のためのリタイアかわかりませんよね。
貯蓄1億円 VS 手取り1,000万円
ということで、仮の話ですが「貯蓄1億円で年収0」、「貯蓄0円で手取り1,000万円」という2つのモデルのどちらかを選べと言われたら、私はノータイムで後者を選びます。
前者を達成するのは凄いことではありますが、貯蓄は何も生み出しません。前述したように、年間500万円の出費でセカンドライフを送ると仮定したときに、前者だとたった20年で資金が尽きてしまうのに対し、後者であれば毎年500万円ずつ金融資産が増加していき、いつまで経っても資産はなくなりません。
ちょうど10年間が経過した時点で前者と後者の資産は逆転し、その後差は開く一方です。後者の場合、長生きすればするほど貯金残高は増えていくのです。キャッシュフローの重要性がわかるというものでしょう。
まとめ
このように、アーリーリタイアに向けて大切なのはいくら貯蓄するかではなく退職後のキャッシュフローをいかに確保するかだと言うことができます。
とはいっても定期的な収入を得ようと思って死ぬ直前まで労働収入を得続けるのは、趣味で仕事をしているのでもない限りそれはそれでキツイです。株の配当金なりブログ収入なり、労働とは違ったところで定期的なキャッシュフローを生み出し続けるシステム構築をすることが大切なのです。
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