- はじめに
- 共働き投資のメリット
- 共働きなら”夫婦間の情報共有”を大切に
- まずは「iDeCoを夫婦で2口座」が最重要
- 次に「(積立)NISAを夫婦で2口座」をとりあえず開設
- iDeCoや(積立)NISAであっても夫婦間の情報共有は必須
- まとめ
はじめに
投資・資産運用を個人として取り組んでいる人は増加しているようですが、既婚者であっても夫婦二人ともで資産運用に取り組んでいる家庭はまだまだ少数なのではないでしょうか。
しかし夫婦、特に共働きの夫婦が協力して資産運用に当たれば、夫婦のいずれかが単身で相場と向き合うよりも大きなメリットを享受できます。
共働き投資のメリット
共働きは投資に対して大きな強みを持っています。
単純に家計として手取り年収が多くなるので拠出額を増やすことができますし、貯蓄の余力が増えることによってリスクに対する抵抗力も高まります。また2人でディスカッションすることによって将来のライフプランをより正確にシミュレーションでき、リスクの取りすぎや機会損失を防ぐこともできるでしょう。(積立)NISAやiDeCoの枠が2倍になるのも非常に心強いです。
このように、「チームとして」投資することができるというのが共働き投資の最大のメリットと言えるでしょう。
共働きなら”夫婦間の情報共有”を大切に
共働きで投資する場合、どうしても夫婦のうちどちらかが投資に積極的で、もう一人は消極的なことが多いと思います。我が家でも私は投資に積極的ですが妻は貯蓄・保険派です。よって私の管理する資産の多くはリスク資産、妻の管理する資産の多くは安全資産になっています。
こういう構造の家計の場合、夫婦間での情報共有が何より大切になってきます。互いがどのような資産をどれだけ保有しているのか、せめて年に1回は情報を開示するようにしなくては、「あれ、思ったより貯蓄貯まってない!?」とか「そんなに含み損出てるの!?」などといったように、互いの思い込みによって資産運用が最適化できない可能性が高まります。
例えば我が家では
1.通帳は2人とも見られる場所に置き、月に1度は記帳すること。
2.銀行や証券会社、暗号資産関連のパスワードや暗証番号は互いに開示すること。
3.互いの貯蓄や資産運用の目的を明確化させておくこと。
4.互いの給与明細は開示すること。
5.毎年1月に資産運用についての話し合いの場を持つこと。
6.ただし結婚前から保有している互いの資産については口出ししないこと。
というルールを定めています。 「6」は意外と重要ですw 私はへそくりなんて持っていませんが妻はいくらか持っているっぽく、それがある種の「遊び」として機能しているようです。
また「5」については、2019年頭は↓のような形で私の計画を妻に伝えました(その後大きく修正しましたが、そのことは妻も了承済みです)。逆に妻の意見も聞き入れ、我が家は生命保険を解約しないことにしています。
まずは「iDeCoを夫婦で2口座」が最重要
長期投資をベースに考えた場合、現状では「iDeCo最重要」であることは明らかです。老後資産形成はどんな夫婦にとっても重要課題で、かつ準備進捗がおろそかになりがちなテーマであることを考えると「夫婦がそれぞれ月数万円でもいいので老後の貯金をする」という環境作りが重要になっています。
この点、iDeCoは開設さえすれば強制的に毎月積立させる制度ですし、所得税や住民税の軽減効果が全投資の中で最強なので、やらない手なんてありません。毎年の税金が下がる上に老後資産がハイペースで増えるのですから。
月2万3千円を夫婦2人ともが積み立て、どちらも10%の所得税・住民税軽減になっているとすれば、年間で10万円以上も税負担が減るメリットは、ただでさえ社会保険料等をたっぷりと天引きされる我々世代においては見逃せません。
↓このように、iDeCoは「投資」というよりも「節約」の性質が強い制度です。投資・資産運用にアレルギーがあるとしても、やらないだけで損をします。
・・・とここまで書いておきながら、実は我が家では妻はiDeCoをやっていません(^^;
理由は妻が育休中だから。iDeCoは給与から強制積立となる制度なので、給与が出ない育休中に始めてしまうと、税金の控除は受けられないのに口座管理手数料だけを毎月取られて損なのです。もちろん、育休から復帰すればすぐにでも開始しますよ。
次に「(積立)NISAを夫婦で2口座」をとりあえず開設
次に考えたいのはNISAを夫婦で2口座持つことです。
単身での運用を考えた場合NISAは2口座持つことができません。よって積立NISAかNISAのどちらか片方を選ぶしかありません。この場合、個人的には積立NISA一択でNISAを選ぶ余地はないと思っています。
しかし夫婦でNISA口座を2つ持つことができれば、
私:積立NISAでパッシブファンドのインデックス投資
妻:NISAで個別株投資
という併用が可能となり、投資の幅が広がります。
資産形成のねらいとして長期を考えている場合、また投資枠が年40万円で十分である場合は積立NISAを優先させることになるでしょう。逆に年40万円の枠では不十分な場合と個別株を保有したい場合は、NISAが選択肢に入ってきます。
個人的には、悩んだ場合は積立NISAを選んだ方が良いと思います。共働きである以上、目下のところの資金が不足するという状況に陥るのはおそらく子どもが大学進学したタイミングがほとんどだと思われるため、一括投資よりも積立投資を選択した方が長期投資の複利&リスク低減のメリットを最大限に享受できるためです。
とはいえ、(目的は違うとしても)明らかにiDeCoの方が(積立)NISAよりも得が大きい制度なので、順番としてはよっぽどのことがない限りiDeCoが最初、(積立)NISAはその次、暗号資産や個別株はその後、というのが投資の優先順位になるでしょう。(積立)NISA口座は開設に時間がかかるため、「まずはとりあえず2人分開設しておく」ことが大切となります。
iDeCoや(積立)NISAであっても夫婦間の情報共有は必須
iDeCoはほとんど損することのない制度ですが、「月2万3千円の枠は全額使い切る」とか「積立NISAで毎月3万円分の投資信託を買う」といったことは夫婦間での情報共有が必須です。
投資というのはリスクが0ではありません。夫婦の一方が「長期投資であればほぼ間違いなく長期ではプラスリターンが期待できる」ことを知っていたとしてももう一方がそのことを理解していなければ、途中の含み損を見て市場からの退場を余儀なくされるかもしれません。またその程度で済めば良いのですが、最悪夫婦関係に亀裂が入るリスクさえあります。
また、「この時期にこれだけのお金が必要」だという考えが夫婦でズレていたら、せっかく形成してきた積立NISAを途中で取り崩すことにもなりかねません。特に共働き家庭の場合、どうしても夫婦それぞれが「これは自分が稼いだお金」という意識を持っていますので、きっちりとコンセンサスを得ておかなければ不満が爆発することは一馬力家庭以上にあり得る話だと思います。
取り返しがつかなくなる前に、あらかじめ夫婦で投資方針・貯蓄方針・現在の資産状況を共有しておきましょう。せめて年に1回くらいは。
まとめ
共働き夫婦で投資をする場合、資産の最適化には情報共有が大事。せめて年に1回は投資方針・貯蓄方針・現在の資産状況の共有が必要。
通帳、証券会社等のパスワードや暗証番号も夫婦で共有しておくこと。
iDeCoが最優先、次に(積立)NISA、最期に個別株や暗号資産の順序を守ること。
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