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ほら、脳が震えた! 『伝え方が9割』(佐々木 圭一(著))

伝え方が9割 | 佐々木 圭一 |本 | 通販 | Amazon

感動は作れる!

 今回ご紹介する本は、佐々木 圭一さんの書かれた『伝え方が9割』です。2013年に発売され大ベストセラーとなった本で、最近発売された続編も売れに売れているようです。

 

↓第1集。こちらだけで十分なエッセンスが詰まっているため、個人的にはあえて第2巻まで読む必要はないと思います。


 

 

↓第2集。第1集が教科書だとすると、第2集は問題集的な位置づけ。第1集で学んだ内容を実用の場面に下ろすための手助け本と考えると良いでしょう。


 

 

本書の結論

 本書の結論は、「伝え方の技術を使えば人の心は動く」というものです。

 

 例えば、あなたに好きな人がいて、その相手はあなたに少しも興味がないとします。そんな状況で相手をデートに誘う場合、なんと言って誘うのが正解でしょうか?

「デートしてください」と直球で誘うのは断られる可能性が高いです。だって相手はあなたに興味がないのですから。

 しかし、そこで伝え方を工夫して、

 

「驚くほど旨いパスタの店があるのだけど、行かない?」

 

 と伝えるとどうでしょう? あなたの申し出を受けてもらえる可能性がぐんと高まったように思えませんか?

 

 このように、同じ内容なのに伝え方で結果が変わってしまうことはよくあります。そして大事なことは、伝え方は才能の問題ではなく技術の問題であるということ。

 

 本書の著者である佐々木さんは、現在でこそ世界的な賞を取りまくるすごい人ですが、以前はコピーライターの仕事があまりに出来ずに精神的に疲れ果てていたような、いわゆる凡人です(失礼! ですが、事実です)。本書では

 

「伝え方にはシンプルな技術がある」

「感動的なコトバは、つくることができる」

 

という、凡人だった佐々木さんが世界的なコピーライターになることができた気づきのまさにエッセンスの部分を惜しげもなく開示してくれています。

 本書は読めば脳が震えること間違いなしの傑作ですが、あくまで技術書です。しかし読破すればその瞬間から誰もが言葉の魔術師に生まれ変わり、明日からの人生の選択が良い方向に向かう可能性が高まる類の、魔導書と言っても過言ではないでしょう。

 

本書の概要

 では本書の中で私が特に重要と感じた点についてアウトプットしてみます。

1:「ノー」を「イエス」に変える3ステップと7つの切り口

 人は1日に頼みごとを平均22回しています。(中略)「イエス」をもらえることもありますが「ノー」になることもあります。さらに、人生での大切なポイントでするのは、やはりお願いです。(中略)その大切なお願いを相手の気まぐれ次第にしないで、あなたのお願いのしかたで「イエス」の確率を上げるのが、この章の目的です

 佐々木さんは、お願いごとの結果を「イエス」に変えるためには3つのステップがあると言います。それが、

 

1.自分の頭の中をそのまま言葉にしない

2.相手の頭の中を想像する

3.相手のメリットと一致するお願いをつくる

 

 中でも特に重要なのが2です。そしてこの相手の頭の中を想像するための方法として、7つの手段があるとのこと。

 この3つのステップと7つの手段とを駆使することにより、お願いごとを受けて貰える可能性が飛躍的に上がるというのがこの章の結論です。

 

 具体例として、冒頭に書いたデートの例で考えてみます。

 

【3つのステップ】

1.自分の頭の中 = 「デートしてほしい」

2.相手の頭の中 = 「イタリアンが好き」

3.相手のメリットと一致 = 「驚くほど旨いパスタどう?」

 

 このように相手の頭の中を想像して、自分の要求と合致させているわけでね。3つのステップを踏まない場合と比べ、相手のことを意識した言葉に変わっていることがよくわかります。

 ところで、この具体例ではステップ2において、7つの切り口の1つである「相手の好きなこと」を選択しています。そしてこの7つの切り口こそが「ノー」を「イエス」に変えるための最重要ポイントで、場面ごとにどの切り口を選択するか熟慮する必要があります。ここでは中でも私が特に効果的だと感じた4つを紹介します。

 

1.相手の好きなこと

2.嫌いなこと回避

3.認められたい欲

4.チームワーク化

 

 2は、例えば立ち入って欲しくない芝生に、「立ち入り禁止」というストレートな看板を立てても効果が薄い場合、「芝生に入ると農薬が付きますよ」という相手にとって嫌な文面に変えることで効果が発揮できるという使い方をされます。

 

 3は、例えば部下に残業をお願いしたい場合、単に「残業お願いできる?」と自分のメリットのみを提示するのではなく、「きみの企画書が刺さるんだよ。お願いできない?」と、相手を褒める言葉を含ませることで気持ちよく引き受けてもらおうという技術です。

 

 そして4は、例えば子どもに勉強させたいときに、「勉強しなさい」と言っても効果が薄い場合、「いっしょに勉強しよう」と言って自分も隣で資格試験の勉強をすることで、自分とともに相手も動かすという方法です。

 

 個人的に言えば、3と4は自分で思いついて意識的に使っていましたし、実際に効果がありました。3はどうしても誰かにレポートを依頼しなければいけない時など、4は職場内の掃除とかですね~。しかし2は結構盲点で、意識して使ったことはなかったです。クレーム処理とかに応用できそうな気がするので、ぜひ活用したいところです。

 

 

「ノー」を「イエス」に変える技術の答えは、相手の中にあります。(中略)「お願い」は、あなたのコトバではなく、あなたと相手の共作なのです。

 人間たるもの、相手の立場に立って考えることは誰しも行っていることでしょう。しかしお願いする時のセリフにまでそのスタンスを反映させることが大切なのですね。

 

2:「ふせんマジック」は明日から試せる!

 あなたはまだふせんが持つ可能性の10%しか使っていない

 本編ではなく本書のコラムに書かれていた内容なのですが、メチャクチャ実践的なのでご紹介を。

 

 私はよく本業で「ふせん」を使って同僚にお願いごとや連絡をするのですが、佐々木さんに言わせれば、ただ単にふせんに文字を書いて貼り付けるだけでは、ふせんの持つ可能性の10%しか使えていないとのこと。

 

 ふせんには、「立てる」、「やぶる」、「隠す」などの機能があり、それらを利用することで、他の人のメモよりも自分のメモを圧倒的に目立たせることが可能になると言います。

 百聞は一見に如かずということで、画像をご覧ください↓

目立ってなんぼ!チョットの工夫でふせんをもっと面白くするテクニック ...

目立ってなんぼ!チョットの工夫でふせんをもっと面白くするテクニック : おっさん大学生のすすめより

 

 これは「立てる」と「やぶる」の機能を上手く活用した例ですね。

 私は本書を読んでから実際に職場でこういう工夫をするようになり、結果としてスムーズにお願い事を伝えることに成功しています。印象も良かったみたいですよ~!

 

3:強い言葉を作る技術

 最後にご紹介するのは本書のメインテーマ、強い言葉を作る技術です。佐々木さんによれば、強い言葉には明確な技術が内在しており、その技術を使いさえすれば誰でも常に心に響く言葉を作れるとのこと。

 技術は全部で5つありますが、本記事ではその中から3つを紹介します。

 

1.サプライズ法

「(語尾に)!」

「そうだ、~」

「実は、~」

 などなど、短い感嘆詞などを伝えたい言葉にくっつけることで、読み手にサプライズを与える方法です。5つの技術の中では最も簡単ですが、それなりに効果がある方法なので時間がないときにぴったりですね! しかし単純だからと言ってバカにはできません。

 

「あ、小林製薬」

 

のように、CMでも使われる手法なのですから。

 

2.ギャップ法

「嫌いになりたいのに、あなたが好き」

 

 このセリフ、メチャクチャ刺さりませんか? こんなこと言われたら心臓バクバクしてしまいますよね(^^;

 

 この場合、本当に言いたいのは後段の「あなたが好き」です。しかしあえて前段で「好き」の対義語である「嫌い」を使うことによりスタート地点を下げ、読み手にギャップを感じさせているのです。

 

 この技術も簡単です。そして効果が高い。

1.最も伝えたい言葉を決める

2.その言葉の正反対のワードを考え、前半に入れる

3.前半と後半とがつながるよう、自由に言葉を埋める

 

 この3ステップで、どんな言葉でもギャップ法を使うことができます。

 

3.赤裸々法

「くちびるが震えてる。あなたが好き」

 

 これもまた刺さります。こういう表現は小説だとよく登場しますが、現実世界のキャッチコピーとして使うのも非常に効果的でしょう。最初の赤裸々ワードで読み手の気持ちを動かし、後段に繋げるという技術ですね。

 

1.最も伝えたい言葉を決める

2.自分の体の反応を赤裸々に言葉にする

3.2を1の前に入れる

 

 ステップにするとたった3つですが、2が難しそうですね(^^;

 でも、

 顔は? のどは? くちびるは? 息遣いは? 目は? うぶげは? 肌は? 頭の中は? 手のひらは? 指先は? 血の巡りは?

 

 ・・・と自問自答してみると、割と簡単に良い言葉が見つかるそうです。

 本書ではそれに加え、いつでも使える即席の赤裸々ワードが公開されていますので、自分で閃くようになるまではその即席ワードを使わせてもらっても良いでしょう。

 

 ちなみに、本記事のタイトルはサプライズ法と赤裸々法とを組み合わせて作ってみました。

 

 

 

転用 ~本書を読んで自分はどうする?~

 さて、本書もまたホームラン本だけあり、沢山の気づきを得ることができました。まず、「NO」を「YES」に変える技術ふせんマジックについては本業でガンガン使えます。これらのテクニックを意識的に使用することで今までよりも「YES」を引き出せる可能性が高まることを期待しましょう。

 

 次に、「強い言葉を作る技術」はと言うと、これもまた本業で試せる他、SNSやブログでの発信で鍛え続けることができます。また、佐々木さんが日本国内だけでなく世界的な賞を取っていることからもわかるように、このテクニックは世界でも通用します。私は将来的にyoutubeで世界に向けて発信したいことがあるのですが、その際に英語でこの技術を応用したいと考えています。

 

 他にも色んな場面で応用が利きそうなこのスキル、伸ばさない手はないでしょう!

 

 

 以上、今回は『伝え方が9割』をご紹介いたしました。ご参考になれば幸いです。


 

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