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30代からの投資でアーリーリタイアを目指す記録。日本に拘りはなし。

「根回し」の重要性について

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本業は「いかに省力化するか」が大事

 仕事大好き人間ならいざ知らず、共働き育児投資家である私にとって本業はあくまでも「定期的にキャッシュフローを生んでくれる資産」に過ぎません。今の業務自体は面白いし勉強になるし職場環境も良い方なので仕事は楽しいですが、私の究極の目標はアーリーリタイアですから、やはり本業は二の次なのです。

 

 サラリーマン投資家であれば同じような考え方の方は他にもいると思います。十分な資産さえ貯まればいつでも仕事を辞めてやるぞ、と。

 

 そしてだからこそ、本業を効率化し常に定時に帰れる仕組みを作り上げることは大切だと言えます。効率化・省力化するために頑張る。本末転倒に見えますが、最初さえ力を込めれば後が楽になると思えばそれほど大変なわけでもありません。それに効率化・省力化は課内全体や会社全体のメリットにもなるため本業において自分の評定を上げることにも繋がります。やっておいて損はないでしょう。

 

 

 

要領よく仕事をする人は「根回し」を大事にしている

 ところで私が常々思っていることですが、本業を要領良くこなしている人は例外なく「根回し」に気を使っています。

 根回しと聞くと何か胡散臭い印象を受ける人もいるかもしれませんが、それはとんでもない勘違いです。会社というのは様々な人間の集合体なので、当然そこには異なる思惑が常に交錯しています。よってとてつもない剛腕の持ち主でもない限り、自分の意見を通すためには社内に飛び交う思惑をきちんと汲み取り、事前に十分な社内調整をしておくことが必須なのです。必要な準備を怠ってしまえば最後、いくら素晴らしい提案をぶち上げたとしても、会議の場で「そんな話は聞いていない」と一蹴されて今までの苦労は水の泡になってしまうのですから。

 

 特に利害の絡む場合なんかは丹念な準備が必要で、論理的なメリット・デメリットの説明という正攻法に留まらず、時には懐柔や相手のウィークポイントを突いた策略、そして言葉は悪いですが外堀を埋めて「型に嵌める」ことなんかも重要な手段となります。それほど、会社内部には一筋縄ではいかない複雑な人間関係が渦巻いているのです。

 

 そもそも会議というのは何かを話し合う場ではありません。既に水面下で決まっていることを共有するだけの決定機関に過ぎないのです。会議が始まる時点で既に勝負は決しています。それを分からずに「自分の意見はいつも通らない!」なんて憤る人は、その辺りを勘違いしているのです。

 

「メンツ」に固執する上司は意外と多い

 新人がやってしまいがちなミスとして、「直属の上司を飛び越えてその上の上司に直接情報を伝えてしまう」というものがあります。私もペーペーの頃に係長を飛び越えて課長へ直接仕事の進捗を報告したことがあるのですが、これが後に係長の怒りを買って大変な目に遭いました(^^; 

 

 「お前のやったことは、『私はあなた(係長)のことを軽んじています』という意思表示に他ならない!」とガツンと叱られましたよ。トホホ・・・。

 

 当時の自分としては深い意味はなく、たまたま係長が出張で居なかったのでそうしただけなのですが、確かに係長の立場からすればそう見えてもおかしくはありません。せめて事後報告でも良いので係長に一言報告すべきだと反省し、それ以来同じことにならないように気を使っています。

 

 まあこれは単なるホウレンソウの順序の話で「根回し」とは違いますが、職場における重要度で言えば似たようなものです。「そんな面倒なこといちいち考えてられるか!」と思う人も多いでしょう。しかしそんな面倒なことであっても気にする人は気にしますし、本ブログでも何度か書いているように、サラリーマン投資家にとって本業でのストレスを減らすことは超重要なポイントです。私は面倒なことを考えるストレスよりも他人とぎくしゃくするストレスの方がよっぽど大きいのでその程度の手間なら惜しみません。

 

 あ、ちなみに場合によってはあえて直属の上司を飛び越えるという手もありますよ。上司が嫌なやつで、なおかつ自分の方がそいつよりも社内で重宝されていることが明らかな場合ですね。「私はあなたを上司だと認めていません」と態度で示すわけです。それにより直属の上司は怒り狂うかもしれませんが、後の判断は上層部が行うでしょう。彼らは貴方と上司とを比較してより有能な方を残します。

 昨年度末、優秀な後輩がこの技を華麗に決めて定年間際の役に立たない課長のプライドを粉砕、自主退職に追い込んでいました。あの手腕には惚れ惚れしましたねえ。嫌な課長が辞めてくれたおかげで社内の雰囲気も明るくなりました。

 

 ただしこれは自己評価が誤っていれば自分が左遷されるという諸刃の剣。使い時にはご注意を。

 

 

 

正しい意見が必ず通るとは限らない

 話が逸れたので戻しますが、会社という利害関係の集合体の中では、正論ならば根回ししなくても通るわけではありません

「それは急ぎではないよね?」

「優先順位的にこっちの方が先でしょう」

「昨年度と同じでよくない?」

などなど、本当にしょうもない反論で意見をつぶされる場合は割とよくあります。

 

 ただ、実は相手からしても積極的に潰したいと思っている提案というのはそれほど多くありません。彼らが本当に言いたいのは一つだけ。

 

「先に一言相談してよ」

 

 決定権を持っている管理職ほど、「多少なりとも関係することであれば事前にひと言相談してほしい」という思いを持っています。これは「根回しをされる立場」になってみないと理解しづらいですが、重要なポイントです。日本の(私は悪しきと思っていますが)伝統として最終的な責任を被るのは部下ではなく上司なのですから、会議の場でいきなり新しいことを提案されても上司側としては十分に検討する時間が足りないんですよ。

 だから、「別に反対じゃなくても一応否定しておく」。会議前に根回しさえしていればそうならないのは分かりますよね。

 

 

 

根回しの本質は人間関係の洞察

 根回しにあたっては、まずは誰に根回しをしておく必要があるのかを理解できなければなりません。そのため、関係者それぞれの関係性やパワーバランスを洞察する必要があります。ここを間違えると最終会議の場で一気にうっちゃられるかもしれませんので慎重に行うことです。

 

 次に、根回しの対象となる各人の特徴を理解する必要があります。「損得勘定を優先する人」なのか、「周囲の納得を重視する人」なのか、「メンツを重視する人」なのか。直接の対話では上手くいかない相手の場合、その上司や仲の良い同僚にアプローチするという手が有効になる場合もあるでしょう。

 

 このように、根回しというのは日ごろから社内の人間関係を洞察していなければなかなか上手にできないものなのです。

 しかし何度でも繰り返しますが、サラリーマン投資家にとって本業での自分の位置を安定したものにすることは非常に大切なことです。いくら自分にとって最重要なのが副業なのだとしても、本業におけるストレスを低減して永続的なキャッシュフローを維持するためにも、「根回し」を疎かにするのは得策ではないのです。

 

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