年金がこの20年以内に4割カットされると言われている今、個人で年金を作ることが余裕ある老後を過ごすための必須事項になっています。
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そんな現代ではありますが、下手に個人年金をかけるくらいならiDeCoを満額かける方が数倍お得であることを知っていますか? 個人年金というのはiDeCoを満額かけた上でまだ足りないと感じた場合だけ検討すべき補助的な商品です。
その理由は非常に単純で、iDeCoの方が圧倒的に沢山のお金が返って来るからです。
iDeCoの節税効果は個人年金の比じゃない
iDeCoを選んだ場合
iDeCoの掛金は、自営業者68,000円、会社員と専業主婦(夫)23,000円、公務員or一部会社員12,000円など、職業によって月々の掛金上限が決まっています。
しかし、最も上限額の低い公務員or一部会社員の【12,000円/月】でさえ恐ろしいほどの節税効果を得ることができます。月々12,000円ということは年額で144,000円の掛金をかける計算になりますが、それだけで所得税+住民税の合計で2万8千円も得をします(年収500万円の場合)。
当然23,000円/月を掛けている普通の会社員ならその効果はさらに大きく、同様に年収500万円の方であればなんと毎年5万5,200円も得することになるのです。年間の掛金は、23,000×12=276,000円ですね。
具体的な計算式は下記のとおり。
【確定拠出年金を支払わない場合】
(※給与支払額が500万円の場合、給与所得控除額は154万円)
○課税所得=500万円-154万円-38万円=308万円
○所得税=308万円×10%-9万7,500円=21万500円
○住民税=308万円×10%=30万8,000円
○所得税+住民税=51万8,500円
【確定拠出年金を毎月2万3000円支払った場合】
○課税所得=500万円-154万円-38万円-27万6,000円=280万4,000円
○所得税=280万4000円×10%-9万7500円=18万2,900円
○住民税=280万4000円×10%=28万400円
○所得税+住民税=46万3,300円
51万8,500円-46万3,300円=5万5,200円!!
個人年金の場合
これに対して、毎月23,000円の掛金をiDeCoではなく個人年金に掛けた場合はどうなるでしょう?
年間の掛金は、23,000×12=276,000円。ここまではiDeCoと同じです。会社員であれば11月頃に年末調整の「保険料控除申告書」にこの金額の印字されたハガキを糊付けしますよね? そして年間80,000円以上の掛金をかけているため、保険料控除申告書には一律「40,000円」と記載するはずです(※新制度の場合)。
ここで、この40,000円がまるまる還付されると思い込んでいる人が毎年うちの会社にもいるのですが、全く違います。年収500万円の会社員なら所得税率は10%なので、実際に控除されるのは40,000×10% = 4,000円です。
そう、たったの4,000円しか還付されないのです!!
iDeCoの方が毎年5万円も得
iDeCoも個人年金も、将来の年金を作るための長期積立が目的です。iDeCoについては株式や債券などのリスク資産を選ぶことも可能で、リスクとリターンとのバランスを考えるのであれば20~30代の人なら海外株式100%で運用するのが最善であることは疑いの余地がありません。
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しかしその事実に目をつぶり、仮にiDeCoで全額元本保証ありの貯蓄商品のみを購入したとしても、上述のとおり普通の会社員ならばiDeCoを選ぶだけで個人年金を選ぶよりも毎年5万円以上の得になるのです(5万5,200円 ー 4,000円=5万1,200円)。
この税金の還付を考えれば、あえて個人年金を選択するメリットなどほとんど皆無だと言えます。
※実際にはiDeCoは加入時に一度だけ一律2,777円の手数料がかかるのと、月額手数料として毎月数百円の口座管理手数料がかかります。前者はどの金融機関や証券会社でも同じ金額ですが、後者は口座開設先を誤ると大損してしまうため、最初の口座開設先選びが非常に重要です。
私自身は手数料最安のSBI証券を選択してiDeCoを利用しており、周りにもおススメしています。SBI証券だと毎月の手数料は167円であるため、一年を通してもかかるお金は2,000円程度。やはり個人年金と比べて5万円お得なことに違いはありません。これが下手な銀行とかだと月200円以上かかってくるので、何十年も続けていけば大きな差が生まれてしまうのです。
iDeCoの持つ唯一の欠点
節税効果最強のiDeCoですが、たった1つだけ欠点があります。
それは、一度始めると何があっても60歳まで辞めることができない点。もちろん本人が死亡した場合などは例外ですが、解雇されて給与収入が0になったとかのレベルでは解約なんてできません。
そのため若いうちに仕事を辞める予定だったり不安定な雇用状況の方なんかは、きっちりと将来をシミュレーションしてから始めるべきだと言えるでしょう。近いうちに専業主婦になる場合とかもそうですね。
とはいえ途中で掛金を下げることはできますし毎年5万円も得するわけですから、仮に定年まで働かなかったとしても累計で得になる可能性はかなり高い制度なのです。
他にも、現在59歳で60歳退職予定の人が元本保証商品狙いで1年だけ加入するのは大アリです。たった1年でも入っておけばそれだけで5万円お得なんですから。
まとめ
○個人年金に入るくらいならiDeCoに入った方が毎年5万円ずつお得(年収500万円の場合)。
○iDeCoの唯一の弱点は何があっても60歳まで解約できない点。
○iDeCoを始めるなら手数料が1円でも安い証券会社を選ぶこと。SBI証券が最善。
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